180日という線引き
暦年のうちタイでの滞在が百八十日以上に達した個人は、その年について税務上の居住者として扱われます。ビザの種別や住居の有無ではなく、実際の滞在日数のみで判定されます。非居住者はタイ源泉の所得について納税義務を負い、居住者はこれに加えて国外から国内へ持ち込んだ所得の取扱いを検討する必要があります。出入国スタンプは必ず保管してください。照会を受けた際、日数は主張ではなく資料で示す必要があります。
タイ源泉とされる所得
タイ法人から支給される給与、タイ国内の顧客へ請求したコンサルティング報酬、国内不動産の賃料、役員報酬は、いずれもこの区分に含まれます。入金先の銀行がどの国にあるかは判定に影響しません。税額は各種控除を差し引いたうえで累進の段階に従って計算されます。雇用主や取引先が既に源泉徴収した税額は精算時に控除できますが、源泉徴収証明書の保管が前提です。証明書を失うと、納付済みであっても控除の機会が失われます。
日本からの送金の取扱い
居住者が国外所得をタイへ持ち込んだ場合の取扱いは近年見直されており、個別に確認する必要があります。所得が生じた年、送金した年、資金の性質、そして日タイ租税条約の該当条文が判断材料です。一回の送金に、以前からの預金、直近の譲渡益、日本の不動産賃料が混在することは珍しくなく、部分ごとに結論が異なります。実務的には、送金の都度その原資と根拠資料を記録しておく方法が、三年後に記憶をたどるより確実です。
見落とされやすい控除
- 給与所得に対する法定の必要経費控除と本人基礎控除
- 扶養親族:所得のない配偶者、子、要件を満たす父母
- 社会保険料および勤務先のプロビデントファンドへの拠出
- 要件を満たす生命保険・医療保険の保険料(上限の範囲内)
- 自己居住用住宅ローンの利息(金融機関の証明書が必要)
- 認定団体への寄附(納税者本人名義の領収書があるもの)
期限と過年度の是正
年次申告は翌年の第一四半期に行い、給与のみの方はPND.91、他の所得を併せ持つ方はPND.90を使用します。所得区分によっては年央申告も生じます。未提出の年分が判明した場合は、自発的な是正が有利です。当局は自ら申し出た納税者と、調査で把握された納税者とを明確に区別して扱います。当事務所では対象年分の再計算、加算税・延滞税の試算、提出および書面でのやり取りまで対応します。
報酬について
お見積りは、所得の種類の数、国際送金の有無、遡って整理する年数、日本の顧問税理士との連携の要否によって変わります。所得の一覧、源泉徴収証明書、送金記録をお送りいただければ、範囲を明記した書面でご提示します。料金表の公開は行っておりません。
タイの会計・税務に関するよくある質問
タイで法人を運営される日本企業向けに、記帳代行、VAT、社会保険、決算のポイントをまとめました。料金は取引量に応じた個別見積りです。コールセンターまたは LINE よりご相談ください。
タイ法人の毎月の申告義務は何ですか。
VAT 登録法人は毎月 PP.30 を提出し、源泉徴収がある場合は PP.53 / PP.1 を提出します。従業員がいる場合は社会保険事務所への届出も毎月必要です。証憑は月次で整理し、年度末に財務諸表へ集約します。
日本語でのやり取りは可能ですか。
可能です。業務のヒアリングと報告は日本語で行い、帳簿と申告書はタイの法令に従いタイ語様式で作成します。日本語の契約書や請求書は内容確認のうえ、証憑として整理します。
設立直後で売上がない場合も申告は必要ですか。
必要です。売上がなくてもゼロ申告と年次の財務諸表・PND.50 の提出義務があり、遅延すると加算税と延滞金が発生します。ビザや労働許可の更新時に提出書類として確認される点にも注意が必要です。
駐在員の給与計算と源泉徴収はどう扱いますか。
給与計算、源泉所得税の算定、社会保険料の控除、月次の申告までを一括で対応します。海外払い部分がある場合は課税範囲の整理が必要となるため、事前に契約条件を共有してください。
監査は毎年必要ですか。
タイの有限会社は毎年、公認会計士による監査済み財務諸表を歳入局と商務省へ提出する義務があります。当社が記帳を整え、監査人とのやり取りを調整します。
依頼の流れと必要資料を教えてください。
登記書類、VAT 登録の有無、直近の帳簿または銀行取引明細、従業員数をご共有ください。作業量を確認したうえで個別にお見積りします。定額の料金表は掲示していません。
お客様に実際にお送りする資料と対応エリア
月次締めの後、担当会計士が同じ書式でお送りします。日本語注記付きの月次サマリー、PP.30 と PND の電子申告受領控え、不足証憑リスト、次回期限のご案内です。年度決算では財務諸表ドラフトと株主総会用の書類が加わります。原本は郵送または集荷でお預かりします。
- 日本語注記付き月次サマリー
- VAT・源泉税の申告受領控え
- 不足証憑リストと回収方法
- 年度決算ドラフトと提出スケジュール
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